YouTube担当者を採用する前に決める仕事
YouTube担当者を採用する前に、任せたい仕事と社内に残す判断を分けましょう。編集できる人を採れば、企画や公開承認まで自然に進むわけではありません。この記事では、不足する役割から職務と体制を決める手順を整理します。
結論:不足スキルと不足責任を別に考える
撮影や編集の技術が不足している状態と、次に何を作るかを決める人がいない状態では、必要な人材が異なります。前者は制作スキル、後者は企画や運用の責任に関わります。まず、作業ができないのか、判断が決まらないのかを見分けてください。
担当者に複数の工程を任せることはできます。ただし、何でも一人でできる前提ではなく、必要な仕事を具体的に並べ、優先順位を決めます。社内専門家や経営者が担う情報提供と承認も、同時に整理する必要があります。
| 不足しているもの | 職務として決める内容 | 社内に必要な協力 |
|---|---|---|
| 企画が選べない | 顧客の疑問を整理し、企画案を出す | 営業情報の提供、優先する事業の決定 |
| 撮影編集が進まない | 素材収録、編集、データ管理 | 出演者、撮影場所、内容確認 |
| 公開判断が止まる | 確認の進行、修正の集約 | 最終承認者と判断期限 |
| 改善が続かない | 反応を整理し、次回案を作る | 事業上の評価、変更の採否判断 |
この表は職務を検討するための整理例です。採用する人の経験だけでなく、与える権限や使える時間によって実行範囲は変わります。役職名に「運用担当」と付けるだけでは、担当する仕事は明確になりません。
背景:一人の採用では社内判断の空欄は埋まらない
制作が止まっていると、担当者が足りないと考えがちです。しかし、商品情報を誰もまとめていない、出演者の予定が決まらない、上司が初稿を確認できないなど、制作技術とは別の理由もあります。
こうした状態で人を採用すると、新しい担当者が社内調整を引き受けることになります。それ自体は必要な仕事ですが、期待される制作量と両立できるかを考えなければなりません。調整の時間を仕事として認めず、動画の完成数だけで評価すると認識がずれます。
コスト比較ガイドでは、専任採用の費用に給与だけでなく、会社負担分、採用費、機材・教育、必要な外注費を含めています。本記事では給与相場を示しません。必要な仕事が決まってから、自社の採用条件と継続予算を確認してください。
具体的な進め方:求人の前に職務を棚卸しする
ステップ1:直近の制作を工程に分ける
公開済み、または止まっている動画を一つ選びます。企画、台本、撮影、編集、確認、公開、振り返りに分けて、実際に誰が何をしたかを記録します。まだ運用していない場合は、作りたい動画を仮に一つ置いて、必要な仕事を洗い出します。
各工程には、作業と判断の両方を書きます。たとえば編集なら、カットや字幕を作る作業と、重要な発言をどれにするかという判断があります。後者を編集者に委ねるなら、事業や顧客の理解が必要になります。
次に、遅れている原因を分けます。「専門知識が足りない」「時間を確保していない」「承認者が未定」のように書くと、人を増やして改善する部分と、社内ルールを変える部分を区別できます。採用を考える前に、直せる空欄がないか確認しましょう。
ステップ2:任せる成果物と教育体制を決める
職務は、「YouTube全般」ではなく、提出する成果物と判断範囲で表します。企画書を出すのか、撮影素材を納品するのか、公開と振り返りまで担うのかを明記します。各成果物に対して、誰が何を確認するかも決めます。
- 主に任せる工程と、補助的に任せる工程
- 入社時に必要な経験と、入社後に学べる内容
- 商品・顧客情報を教える社内担当者
- 企画、表現、公開可否を判断する責任者
- 他業務との優先順位と、使える制作時間
- 休暇や退職時に引き継ぐデータと手順
経験が必要な仕事と、社内で教えられる仕事を分けることが大切です。たとえば編集経験があっても、自社の専門用語や顧客の判断基準を知っているとは限りません。資料、過去の商談で出た質問、公開できる事例を用意します。
評価項目も職務に合わせます。制作を担当する人に、権限のない営業成果だけを求めると、何を改善すべきか分かりにくくなります。品質、進行、記録、次回提案など、本人が担う仕事と結びついた評価を置いてください。
ステップ3:採用・兼任・外注を不足役割で照合する
専任採用は、継続して任せる業務があり、育成や管理を担える場合に検討できます。YouTube以外の業務も任せるなら、その範囲を含めて時間配分を考えます。曖昧な仕事を後から追加する前提にしないようにしましょう。
社内兼任は、担当者の時間と必要な能力を確保できるかが判断点です。「空いた時間で対応」では、通常業務が忙しくなると後回しになりやすくなります。兼任を選ぶなら、正式な担当業務に位置付け、承認の協力者も確保します。
撮影や編集の作業が不足し、企画と確認は社内でできるなら、制作外注を検討できます。一方、出演者や既存編集者はいるものの、企画や品質基準、改善が不在なら、その役割を外部に求める選択肢もあります。委託範囲は個別に確認が必要です。
選択肢は固定せず、いま足りない仕事を埋める組み合わせで考えます。ただし、人員と委託先を増やすほど連絡窓口が曖昧になることもあります。工程の主担当を一人に定め、最終的に誰が進めるかを残してください。
仮想例:編集者の採用で解決するかを考える
専門サービス会社が、動画編集経験のある人の採用を考えているとします。これは説明用の仮想例です。既存動画を振り返ると、編集より前に、代表が話すテーマを決められず止まっていました。
この場合、編集スキルだけを採用条件にしても、企画の空欄は残ります。まず、営業から顧客の質問を集める担当と、テーマを選ぶ責任者を置きます。そのうえで、企画整理から編集までを一人に求めるのか、企画支援と制作を分けるのかを検討します。
反対に、台本と出演者が決まり、素材もあるのに編集作業が追いつかないなら、制作能力を補う優先度が高いと考えられます。採用が必要か、委託で対応できるかは、継続業務量と管理体制を確認して判断します。結論を人員不足に決めつけないことがポイントです。
よくある失敗:採用後に権限を決める
「詳しい人に来てもらってから考える」として、目的や承認者を決めないまま採用すると、担当者は提案の採否を判断できません。経営者が何を任せたいかだけでなく、何を自分で決めるかを先に示す必要があります。
また、成果物を個人の端末や記憶だけに残す運用にも注意します。企画の理由、素材の保管場所、修正履歴、公開手順を共有できる形にします。採用によって知識を社内に残したいなら、記録と引き継ぎも職務に含めておきましょう。
まとめ:人を探す前に、仕事の空欄を探す
YouTube担当者の採用は、職務が具体的になってから検討すると比較しやすくなります。制作技術、企画判断、社内承認、改善の責任を分け、採用しても社内に残る仕事を確認してください。足りない役割から体制を選ぶことが、期待のずれを防ぐ第一歩です。
ツヅモルの資料一覧から「YouTube担当者 採用・兼任・外注 コスト比較ガイド」を確認できます。自社の職務棚卸しと照らし合わせ、専任採用、兼任、外注のどれが不足を補えるか整理してみてください。